使い方はかんたん。すぐに使えるスリングの基本
赤ちゃんをスリングに入れるのって難しそう……そんな声をよく聞きます。でも安心してください。ピースリングは「はじめての抱っこ」でもすぐに慣れていただける構造です。
スリングの装着方法やヨコ抱っこ・タテ抱っこなど、赤ちゃんと快適に過ごすための抱っこの基本をご紹介します。
スリング各部の名称
ピースリングを正しく、安全にお使いいただくために、まずは本体の構造をご紹介します。以下の図にある部位名称は、装着説明などでも使用しますので、はじめにご確認ください。

リング
ピースリングを留める金属製のパーツです。
継ぎ目のないステンレスで、2000kg以上の耐久テストをクリアした世界トップレベルの安全性を誇ります。
赤ちゃんの体重をしっかりと支える、スリングの要(かなめ)です。
テール
リングに通したあとに余る、スリングの先端部分です。
装着時のサイズ調整のために使うほか、授乳時の目隠しや日よけとしても活躍します。
ピースリングならではの、柔らかく美しいドレープもこのテール部分が生み出します。
ポーチ
赤ちゃんを包む、ふくらみのある中央の部分です。
布幅は1メートル以上あり、赤ちゃんの身体をすっぽりと優しく包み込みます。
この「たっぷり感」が、赤ちゃんの落ち着きを生み出し、ママ・パパの安心にもつながります。
スリングの準備
お届け時

お届け時はヒダ状に折った状態でリングに通してありますが、そのままではご使用いただけません。必ず下記の手順でリングに布を通し直してください。
たぐり寄せた生地の先端部分を、ひねらないように注意しながら、2つのリングに通します。

肩のブランドタグが上になるように持ち、テールの裏側についている洗濯表示をめくるように広げます。

テール部分を広げ、先端部分の布の両側を持ち、外側に広げるようにします。

つかんだ外側から、ゆっくりと中央に向かって、手の中の生地をたぐり寄せていきます。

リングを通すまでの間に、生地がねじれていないか確認しましょう。

リングに通した生地をゆっくりと引き出し、スリング全体の大きさを調整します。

ベルトを通す要領で、折り返した布を2つのリングの間に通し戻します。

生地を引き出した際、裏側が上になっているのが正しい状態です。

テールの先端部分(すそ)の長さが扇状に揃っていることを確認します。

リング部分ほぐし方

テールがうまく引けないときは、布の向きと位置を整えてみましょう。
リングの左右にテールの端(縫い目のある部分)がきちんとそろっていないと、引き出すときに布が引っかかってしまうことがあります。
そんなときは、一度テール全体をゆるめて、布を左右に広げるようにほぐしましょう。縫い目がある左端と右端が、それぞれリングの両端にくるよう整えるのがポイントです。
最後に、テールをまっすぐ下へ引っ張って形を整えれば、準備完了です。
スリングを肩にかける

こちらでは、かける肩を「右肩」と仮定します。(左肩にかける場合は逆にお読みください) ピースリングの輪に頭を入れるように、「たすき掛け」にします。
リングを前にして、スリングの輪を左腕に通します。

スリングの輪に、そのまま頭を通します。

リングの位置が、鎖骨周辺にあるることを確認します。

ここをチェック!
スリングを肩にかけた後に、リングの位置を確認します。鎖骨あたりにリングがきます。

ポーチを両手で横に広げてみましょう。両サイドが開いていることがポイントです。

右手でスリングを持って、左腕を通すようにします。このとき、肩のブランドタグは、内側(裏側)になるので、そとから見えることはありません。
ピースリングの左右仕様とは

ピースリングは美しいスタイルのために左右の肩で仕様が違います。ただし、左右を逆にしても安全上の問題はありませんのでご安心ください。
ヨコ抱っこでの使い方(新生児向け)

首のすわっていない新生児は、横抱きで優しく抱っこしましょう。ピースリングなら、新生児を安定した姿勢で支え、呼吸も安心です。脚の周りが余裕たっぷりなので、脚を広げた状態で抱っこができ、股関節脱臼の心配もありません。
ヨコ抱っこでは、スリングを掛けた肩とは反対側に赤ちゃんの頭がきます。(掛ける肩が右肩の場合は、赤ちゃんの頭が左側になります)
某有名産院では、ピースリングを使って分娩室から病室までの移動しています。ナチュラルな体勢でヨコ抱っこができるのが、ピースリングの特徴です。
リングを前にして、スリングの輪を左腕に通します。

左ひじの所に赤ちゃんの頭がくるように抱っこし、ポーチの内側から右手を出す。

右手で赤ちゃんのおしりを支えながらポーチの中へすべりこませる。

おしりをポーチにのせ、右腕はポーチから抜く。

ポーチの外側(上端)を右手で持ちながら、赤ちゃんと左手ひじをポーチの中へ包み込む。 右手で赤ちゃんの頭を押さえながら左手を抜きます。

鏡の前に立ち、赤ちゃんが水平に入っていることを確認。頭側の布がたるんでいるようなら、ぴんと張らせましょう。

ここをチェック!
ヨコ抱っこでは、赤ちゃんの体はまん丸にはなりません。緩やかな曲線のベッド状になるのが正しい方法です。



右手でスリングを持って、左腕を通すようにします。このとき、肩のブランドタグは、内側(裏側)になるので、そとから見えることはありません。

タテ抱っこでの使い方

上体を起こした「タテ抱っこ(よりそい抱っこ)」に挑戦しましょう。両脚を自由に出して、おしりはMの字(以下、図6を参照)を基本にします。大きくなれば、ポーチの中に足を入れて立ち上がりの練習なんかにも活用できますね。
(タテ抱っこは、「よりそい抱っこ」とも呼ばれます。)
リングを前にして、スリングの輪を左腕に通します。

赤ちゃんをげっぷさせる時のように肩に乗せ、ポーチの中へ足を滑り込ませる。

赤ちゃんの両脚を広げて、ママの腰骨の上をはさむようにしてポーチの上へおしりをのせる。

足先をポーチから出す。おしりはポーチのまんなかで安定している状態。

赤ちゃんとの密着感が足りない場合は、左手で赤ちゃんを抱きかかえながら、右手でテールをひっぱります。

ちゃんとM字になっているか、おしりにたっぷり布が重なっているかを確認。

スリングでの授乳

テールを使って、授乳時の目隠しができます。
授乳ケープがない場合でも、スリングで抱っこしていれば安心です。
安全な使い方(新生児に関する注意点を含む)
テレビ番組や一部メーカー指導により、以下の危険な使用方法をすすめられることがあります。とくに、講習会や交流会などで、間違った使用 を教えらるケースが確認されましたので、ご注意ください。
新生児を抱っこする際の特に重要な注意点
- 気道確保:新生児をスリングで抱っこする際は、常に赤ちゃんの顔が見える位置で、気道が塞がれていないことを確認してください。顎が胸に付きすぎていないか注意しましょう。
- 正しい姿勢:新生児の首と背中をしっかりとサポートし、無理な体勢にならないように注意してください。
- 密着度:密着させすぎると呼吸が苦しくなる場合があります。適度なゆとりを持たせつつ、赤ちゃんが安定するように調整してください。
強く引っ張らない
リングはしっかりとロックされています 無理に引っ張らないでください
スリング(子守帯)を、実際に赤ちゃんを抱っこしながら調整すると、不安定な体勢になります。また、テールをいびつな形で引っ張ると、赤ちゃんを不自然な形で固定することがあります。ピースリングのリングは、赤ちゃんを抱っこするとロックされるように調整されているので、抱っこをしたままテールを引っ張ることができません。
間違った例

肩カバーを広げると二の腕を押さえて血行が悪くなることがあります。

リングを背中にしているとテールを使うことができません。

力まかせに引っ張ると生地を傷めることになります。

タグ・縫い目を外側にだすと寿命を縮めます。

ポーチをまたがせると布幅の広さを十分に使うことができません。
袋状にしない!
ポーチ部分の端を狭くしてスリングを袋状にするという間違った使用方法を指導する講習会があると報告されていますが、これは間違いです。スリングは、袋状の抱っこ布ではありません。
ポーチを袋状にしない!
一部のメーカーでは、ママの密着感のために抱っこをしながらテールを引いて調整することを薦めていますが、ピースリングでは極めて限定的に調整方法を説明しています。
「首が据わった後のタテ抱っこの時に、赤ちゃんの体重がかからない体勢で、赤ちゃんの肩にかかる布の余った部分のみを、テールで調整する」というものです。
これ以外のケース、つまりヨコ抱っこなどでは、テールを微調整することは薦めていません。
オールアバウトでの使い方解説
先輩ママからの使い方のアドバイス
「私の場合は、ポーチの内側に右腕を出して、普段のヨコ抱っこをします。つぎに、右腕で赤ちゃんを支えて、あいた手でポーチの布をのばして包むように背中を覆います。片手で赤ちゃんを抱くことができて、ポーチの自然な形をマスターしていれば、この方法が簡単!」
長野県M.K.様
リングを前にして、スリングの輪を左腕に通します。

右腕はそのままで、普段のヨコ抱っこをしてみましょう。

右腕で赤ちゃんを支えたまま、左手でポーチをかぶせていきます。

あいた手で、残りのポーチで赤ちゃんを覆います。

ポーチが自然な形で、抱っこできていたらならok!

これで、簡単にヨコ抱っこが完成しました!

動画で確認したい方へ(使い方まとめ)
実際のスリング装着や抱っこ方法を動画で確認したい方のために、テーマ別にまとめました。
人気の動画
スリングの準備(3分35秒)
この動画でわかること
- スリングの布をリングに通す手順(STEP1〜9)
- リングとテールの正しい位置関係
- 左右の布のバランスとシワの伸ばし方
- 使用前の基本チェックポイント
ヨコ抱っこの基本(58秒)
この動画でわかること
- 布のポーチ部分と赤ちゃんの体の関係性
- 頭・背中・お尻が自然に包まれるポジション
- 新生児のヨコ抱っこで気をつけたい角度
ヨコ抱っこ
ヨコ抱っこの実践編(4分6秒)
この動画でわかること
- 赤ちゃんを入れる際の動作の流れ(装着→抱っこ→おろし)
- 抱っこ中の安定した姿勢のつくり方
- そのまま寝かせてスリングごと布団へ移す方法
タテ抱っこ
タテ抱っこの基本(1分10秒)
この動画でわかること
- スリングの準備状態からタテ抱っこへの移行
- 赤ちゃんの頭の高さとお母さんの胸元のバランス
- 肩や背中の布の整え方、ねじれチェックの重要性
タテ抱っこの実践編(2分18秒)
この動画でわかること
- 赤ちゃんの足とお尻の正しい位置(M字・Cカーブ姿勢)
- テールの扇状展開によるサポート力アップ
- リング部と赤ちゃんの重心のバランス調整
テール関連
テールで授乳カバー(1分12秒)
この動画でわかること
- テールを授乳ケープとして使う手順
- 人目を気にせず授乳できる包み方
- 授乳時の赤ちゃんの姿勢と安全確保
テールの活用方法(1分7秒)
この動画でわかること
- テールの装飾的な巻き付けアレンジ
- 赤ちゃんの首元にあてて快適にする工夫
- コーディネートに合わせたテールの使い分け
その他
コサージュの使い方(2分2秒)
この動画でわかること
- 専用コサージュをリングに取り付ける方法
- スリング全体の印象を変えるコーディネート例
- ファッションとの相性やバランス
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